対抗型の将棋で知っていると役立つ攻めの手筋

対抗型の将棋で知っていると役立つ攻めの手筋

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あらきっぺ
あらきっぺ

2026年10月2日 17:34(編集済み)

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

対抗型の将棋は、多くの方が経験する戦型かと思います。また、対抗型は戦法が違っても部分的に同じような形が出現することも多く、特定の手筋を覚えておくと、それが役に立つケースも多々あります。

そこで今回は、対抗型において有効になりやすい手筋をテーマに解説を進めます。

飛車が走りやすい形を作れ

改めて、上記ツイートの局面を提示します。下図は相手が☖5四銀と指し、銀を活用したところです。

こちらは攻めの銀がスムーズに進軍できており、2筋を侵略できるのは確定しています。ゆえに、そこをどう攻めるかという場面ですね。

平凡に指すなら、☗2三銀成と突っ込む手が目に移ります。これで以降は2筋の歩を伸ばしていけば、いずれは2筋を突破できますね。

ただ、後手に☖6五歩☗3二成銀☖6四角と応戦されると、どういった印象を受けるでしょうか。

こうなると、次に相手は☖5六歩や☖6六歩などで中央を攻撃する態勢が整っています。こちらは2筋の攻めが重く、☗2四歩~☗2三歩成の攻めが間に合う保証がありません。上図も居飛車の形勢が悪いわけではないのですが、攻め駒の効率が悪いので、好んで選ぶ進行ではないでしょう。

こうした背景があるので、冒頭の局面で筆者は、別の攻め方を選びました。具体的には、☗2四歩☖同歩☗2二歩と進めます。これが急所を捉えた攻め方ですね。

こうして桂取りを掛ければ、相手は手抜きがしにくい状況になります。加えて、この配置なら☖6五歩~☖6四角と指されても、☗2四飛と走れるので相手の角の活用も牽制しています。こちらは飛車をスムーズに成りたいので、2筋に銀を配置しないほうが得策なのです。ゆえに、☗2三銀成よりも、☗2四歩と歩を突き捨てるプランのほうが勝るわけですね。

上図では☖3三桂と逃げるのが妥当ですが、こちらは自然に☗2四飛と走っておきましょう。

ここまで進むと、失敗例の変化とは雲泥の差がある印象を受けるのではないでしょうか。2筋の障害物が少ないので、間もなく竜が作れますね。

また、4二の角の移動を牽制しているのも見逃せない利点です。相手は自分の桂が負担になっており、味よく角を6四に出すビジョンがありません。

そうは言っても、上図では☖6五歩と突き出すくらいです。対して、こちらは初志貫徹に☗2一歩成☖4五桂☗2二飛成で飛車を成り込みましょう。

ここで☖6四角だと、☗6五歩☖同桂☗4五銀☖同銀☗6六歩という攻めがあります。次の☗6五歩が角取りになるので、相手は☖5六歩を突き出す余裕がありません。この変化は、銀を3四に置いたまま攻めた恩恵が表れていますね。

振り飛車が上記の手順を警戒するなら☖5二飛になりますが、これは角取りを防いだだけの一着なので辛い選択ですね。こちらは☗2六角で遊び駒の活用を図っておけば十分な態勢です。上図は玉の堅さと大駒の効率に差がついているので、居飛車が優勢だと言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、こちらは銀を2筋に進めなかったことで、攻めがスムーズに進んだことが読み取れます。

こうした対抗型の持久戦になると、居飛車は☗2四歩☖同歩☗2二歩と攻め、振り飛車の桂を狙う手が効果の高い攻めになることが多々あります。この攻めは歩のみ使うので遊び駒を作らない利点があったり、自身の飛車先を軽くしたり、敵の角を負担にさせる効果があったりします。つまり、駒得を狙いながら駒効率にも差をつける恩恵が得られるので、非常に強力な攻め筋なのです。この筋をメインに仕掛けの手順を組み立てると、リードを奪えることが多いので、ぜひ意識してみてください。

最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

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