中盤の難所で意識すると良いこと(9)

中盤の難所で意識すると良いこと(9)

0 views
あらきっぺ
あらきっぺ

2026年10月8日 16:27

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することも珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。

そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。

なお、パート8の記事は以下のリンクからご覧ください。

中盤の難所で意識すると良いこと(8) | コマログ
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。 今回の題材は、こちら。 将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することも珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。 そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。 なお、
コマログ

敵の主力を目標にできる受けを選べ

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗9八歩と指し、9筋を受けたところです。

こちらは攻め駒が存分に捌けており、駒の効率は抜群です。ただ、現状では敵の囲いを崩す手段はないですし、次に☗3四歩や☗6四角を見せられているので、ここは受けに回る場面と言えます。特に、[☗3四歩☖2二銀]の利かしを入れられてしまうと壁銀を強要され効率が悪化するので、それは避けたい局面です。

こちらは受ける手段が複数ありますが、結論から述べると☖4三金と上がる手が反発力の強い一着になります。

かなり異質な指し方に見えますが、これが局面の急所を捉えた一着です。上図の相手は5五の角が攻めの主力であり、こちらはそれの働きを抑制させる必要があります。そのために、金を繰り出し圧迫するというわけですね。

上図で☗3四歩は☖同金で無効なので、相手としては☗6四角と指すのが妥当です。対して、こちらはグイッと☖5四金と上がり、引き続き角を狙いましょう。

こうなると相手は角を撤退するよりないですが、こちらは敵の攻め筋を払拭できたので、脅威を緩和できました。加えて、6五の桂にもきちんと紐が付いているのも大きなポイントですね。

上図では☗3七角と引くのが妥当ですが、こちらは☖3六歩☗2六角☖7三角と進め、とにかく敵の主力を攻撃し続けましょう。

ここまで進むと、相手の角がかなり働きの弱い駒になった印象を受けるのではないでしょうか。5四に金を配置したことで、自陣付近から追い払えたことが大きいですね。

また、この飛車取りも非常に受けにくい一着です。☗1八飛には☖2七銀の追撃がありますし、☗5五歩には☖同金で問題ありません。上図は敵の大駒の効率を落としながら攻勢に出る展開に持ち込めているので、こちらが優勢だと言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、☖4三金から敵の角を狙った着想が、状況を好転させたことが読み取れます。

基本的に将棋は攻勢に出ているほうが優位に立てるので、相手の攻撃が来ない状況を作ることは、非常に高い価値があります。そして、それを作るためには敵の主力の駒を狙い、敵の攻め筋を消すことが大事です。そうしたことを意識すると、上図のような特異な指し方も発見できるようになるかと思います。

最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

また、櫻井将棋塾では、こうした将棋に関する発信やオンライン講座、オンライン指導などのサービスを提供しております。もしご興味がありましたら、以下のリンクからお申し付けください。

https://sakurai-shogi.co.jp/contact

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

#その他#櫻井将棋塾#中盤力の強化#守勢から攻勢に向かう技術#受けの考え方#駒効率の考え方
あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。