敵陣を攻める際に意識すべきこと(2)

敵陣を攻める際に意識すべきこと(2)

0 views
あらきっぺ
あらきっぺ

2026年10月9日 17:30

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋で勝つためには、敵陣を攻めることが求められる技術の一つです。ただ、無策に攻めても受け止められるケースは少なくないので、きちんと急所を突く攻めを実行しなければなりません。

そこで今回は、敵陣を攻める際に役立つ考え方をテーマにして、解説を進めます。

なお、パート1の記事につきましては、以下のリンクからご覧ください。

敵陣を攻める際に意識すべきこと | コマログ
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。 今回の題材は、こちら。 将棋で勝つためには、敵陣を攻めることが求められる要素の一つです。ただ、無策に攻めても受け止められるケースは少なくないので、きちんと急所を突く攻めを実行しなければなりません。 そこで今回は、敵陣を攻める際に役立つテクニックをテーマにして、解
コマログ

敵玉を射程に入れる手を指す

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗6四歩と指し、垂れ歩を設置したところです。

ご覧の通り、こちらは次にと金を作られる手を見せられています。それを防ぐだけなら☖6二飛が一案ですが、ここに飛車を配置すると働きが悪くなるので、味が良いとは言えません。そのため、この瞬間に攻勢に出て、敵のと金攻めが間に合わない展開を目指すほうが賢明ですね。

具体的には、☖4四角と設置します。これが最も厳しい攻めになります。

少し狭い場所に角を打っていますが、これが急所を捉えています。この角は4五の歩や5四の銀によって角頭が保全されているので、当面は目標にされる心配がありません。ゆえに、ここに配置しても支障がないのです。

相手は☖7六歩☗同銀☖6七歩成という攻め筋を防ぐ必要がありますが、7六の地点に利きを増やすのは難しいので、玉を避難させるのが妥当です。そうなると☗7九玉が一案ですが、こちらは気にせず☖7六歩を打ちましょう。

これを☗同銀だと、やはり☖6七歩成がありますね。相手が駒損を避けるためには、☗8八銀と引くよりありません。

ただ、この対応だと8筋が壁になる上に、6・7筋の拠点もしばらく残るので、こちらは大いに得をしました。盤面の右側でポイントを稼いだので、以降は☖3五歩で左辺を攻めましょう。これが本筋の攻め方になります。

現状、彼我の玉型には大きな差がついているので、激しく駒がぶつかり合う状況になれば、こちらは大歓迎です。ここで☗4五桂には☖3四銀☗4六歩☖3六歩と進めれば、新たに拠点が増える上に桂の質駒も作れるので、攻めが手厚くなりますね。

また、上図では☗4七金で桂頭をケアする手もありますが、☖3六歩☗同金☖3五歩で金を追い払えば問題ありません。

先述したように、こちらは激しく駒がぶつかる展開は歓迎です。ゆえに、相手は☗4五金と進軍するのは利敵行為です。☖3六歩と突き出せば金桂が入手できるので、順調に攻めが続きますね。

しかしながら、上図で☗2六金と辛抱しても、☖8六歩☗同歩☖8七歩で形を乱す手が痛快です。相手は金が自玉から離れてしまい、6七の地点が手薄になることが辛いですね。上図は玉型が大差であり、☗6三歩成の余裕を与えず攻め続けることもできているので、こちらが優勢と言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、こちらは4四に角を設置したことで、攻めが調子よく続いたことが読み取れます。

将棋は敵玉を取れば勝てるゲームなので、当然ながら敵玉を狙った攻めは威力が高いと言えます。したがって、こうした敵玉を射程に入れる手は、強力な攻めになることが少なくありません。攻め筋が上手く見つからない場合は、こうした点を意識してみると、良い手順の発見につながるかと思います。

最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

また、櫻井将棋塾では、こうした将棋に関する発信やオンライン講座、オンライン指導などのサービスを提供しております。もしご興味がありましたら、以下のリンクからお申し付けください。

https://sakurai-shogi.co.jp/contact

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

#その他#櫻井将棋塾#中盤力の強化#攻めの考え方#中盤の攻め#本筋の指し方
あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

人気記事

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

【対角交換振り飛車で役立つ攻め筋】

【対角交換振り飛車で役立つ攻め筋】

中盤の難所で意識すると役立つテクニック

中盤の難所で意識すると役立つテクニック