敵陣を攻める際に意識すべきこと

敵陣を攻める際に意識すべきこと

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あらきっぺ
あらきっぺ

2026年8月27日 16:01

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋で勝つためには、敵陣を攻めることが求められる要素の一つです。ただ、無策に攻めても受け止められるケースは少なくないので、きちんと急所を突く攻めを実行しなければなりません。

そこで今回は、敵陣を攻める際に役立つテクニックをテーマにして、解説を進めます。

盤上の攻め駒を安易に清算しない

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖2二歩と指し、2筋を補強したところです。

この局面は、こちらの棒銀が成功しており、相手の金を入手できることが約束されています。ゆえに状況としては万々歳なのですが、こうした場面から急所を外すと、途端におかしくなってしまうのも将棋の怖いところです。引き続き、敵陣の弱点を突く攻めが必要な局面ですね。

上図では、ひとまず☗3二銀成☖同玉と進めてみたくなるところです。ただ、そこで先手はどんな攻めを繰り出せばよいでしょうか?

確かに金は入手できましたが、上図は手損が大きいので何の戦果もなければ先手は面白くない状況に陥ります。ただ、ここで☗2四歩と垂らしても☖3四銀と受けられると、2筋を突破することができないので、どうも攻めあぐねています。この進行は、相手に銀を渡したことで、それを受けに使われていることが問題ですね。

この変化を踏まえると、冒頭の局面で先手が指すべき一着が見えてきます。そこではじっと☗2四歩と垂らすのが威力の高い攻め方ですね。

こうして単に歩を垂らせば、相手は持ち駒を持っていないので2筋を補強する術がありません。そして、次は☗3二銀成☖同玉☗2三金☖4一玉☗2二金☖同角☗2三歩成で強行突破する手段がありますね。この攻め方は一時的には駒損になりますが、2筋を突破すれば飛車の成り込みやと金の活用、桂香の回収など攻めに困らなくなるので駒損は回復できます。

後手は有効な攻めがないので、上図では☖8六歩☗同歩☖同角で攻めに活路を見出すくらいです。ただ、これには強気に☗7七角とぶつけてしまえば問題ないでしょう。

これは敵の飛車の成り込みを許してしまいますが、空成りならば被害は少ないので、意外を受けない側面があります。

とはいえ、後手としては☖同角成☗同桂☖8九飛成と進めるのが妥当でしょう。対して、こちらは☗3二銀成☖同玉☗2三歩成☖同歩☗2二歩☖同玉と進め、敵玉を孤立させてから☗8八銀と上がります。これで技が掛かっていますね。

こうなると、次に☗7九金で敵の竜を捕獲できる状況になりました。そして、飛車を入手すれば☗4一飛が痛打なので、敵玉は一瞬で寄り筋に入ります。ただ、相手は竜を生還させる術が極めて困難なので、手段に窮していますね。ゆえに、上図は先手優勢です。

こうして一連の進行を見ると、こちらは☗2四歩と垂らして攻めの火種を残したことで、大きな戦果を得たことが読み取れます。

敵陣を攻める上で重要なテクニックは複数ありますが、中でも上図のような「盤上の攻め駒を安易に清算しない」ことは大事な技術の一つです。清算すると必然的に敵に持ち駒を渡すので、受けの手段を与えることになりかねません。相手の受けを封じるために、あえて駒を取らないという思考ができるようになると、良い判断ができるようになるかと思います。

最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

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