受けに回る際に心掛けておきたいこと

受けに回る際に心掛けておきたいこと

236 views
あらきっぺ
あらきっぺ

2026年4月7日 11:26(編集済み)

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋は一方的に攻め倒して勝てれば理想ですが、現実としては受けに回らなければならない場面が多々あるものです。ただ、受けは攻めと違って理想形が見えにくいので、技術の習得が難しい分野ではありますね。

そこで今回は、中盤で受けに回る際に意識すると役立つことをテーマに解説したいと思います。

悪い配置を維持しない

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗8八歩と指し、8筋の守りを固めたところです。

この局面は、駒の損得はありませんが、玉型には小さくない差がついています。こちらは自玉がすこぶる広い格好ですし、いつでも☖8七銀と放り込む攻め筋を有していることが大きいですね。ゆえに、形勢はリードしています。

ただ、懸案としては2筋にキズを抱えていることがあります。次に☗2四歩☖3四金☗2三歩成や☗3二銀☖3四金☗2三銀不成といった攻めの警戒が必要ですね。

受ける手段は複数ありますが、結論から述べると☖4四角と上がる手が賢明な一着になります。

先述したように、相手は次に

①☗2四歩☖3四金☗2三歩成

②☗3二銀☖3四金☗2三銀不成

といった攻めを狙っていました。これらは三手目の攻めが2二の角取りになるので威力が高い攻めと言えます。つまり、こちらとしては[☖2二角型]が良い配置ではないので、それを解消するのが先決であることが見えてきます。そのため、こうして角を移動するのが好手になるのです。

さて、相手は先述した二つの攻め筋に期待したいところですが、☗3二銀は☖3四金で空振りなので、☗2四歩を選ぶのが一案です。そこから☖3四金☗2三歩成と進めば、と金を作ることに成功しますね。

ただ、この進行は角を早逃げした効果がテキメンに出ているので、案ずることはありません。そこから☖3六銀と打っておけば、相手の攻めをいなすことが出来ています。

こうすれば、☗2四とと引かれても☖3五金で2筋を受け止めています。加えて、こちらは次に☖2六歩から敵の飛車を圧迫する狙いも作っており、それが指せれば攻めの手段も分かりやすくなります。上図は大駒の働きにも差がついているので、こちらが優勢と言えるでしょう。☖4四角と上がった手が抜群に効いていることが読み取れますね。

以上の理由から、相手はここで☗2四歩が指せないことが分かりました。では、角を上がったことを咎めるべく、☗3五銀と打つのはどうでしょうか。

これには、あっさり☖同角☗同金☖3四金と進めておきます。この進行は駒損になりましたが、2筋の嫌味を払拭したことが大きいですね。

相手は角を逃げるよりないので、☗6八角と撤退するのは妥当です。ただ、その局面は相手から厳しい攻めがないので、こちらは攻めに専念できる状況です。手段はいくつかありますが、☖3六歩と垂らして2八の飛にプレッシャーを掛けるのが最適でしょう。

次は☖3七銀と打って、敵の飛車を攻撃するのが楽しみです。3七に銀を打ち込むのは筋が悪いですが、敵玉は8筋が詰まっているので横からの攻めに耐性がありません。よって、飛車を取りにいく手がすこぶる厳しい攻めになるのです。

上図から☗5九角と受けても☖2六銀とかぶせておけば、結局3七に銀を打ち込めるので問題ありません。この局面は、敵陣を一方的に攻撃できる状況に持ち込めているので、こちらが優勢ですね。

こうして一連の進行を見ると、こちらは☖4四角を指したことで、相手の攻めを綺麗にいなせたことがよく分かります。

将棋は致命傷を喫する前に先受けすることが大事で、これは感染症対策の予防接種と理屈は似ています。中でも、敵の攻め筋(この場合は☗2四歩☖3四金☗2三歩成や☗3二銀☖3四金☗2三銀不成)の目標になってしまう駒は、そのままにしておくと災いが起こりやすいものです。そうした駒は上図のように、早急に配置を変えてしまうのが賢明です。これは汎用性の高いテクニックなので、意識して頂ければ幸いです。

最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

また、櫻井将棋塾では、こうした将棋に関する発信やオンライン講座、オンライン指導などのサービスを提供しております。もしご興味がありましたら、以下のリンクからお申し付けください。

コンタクトページ
問い合わせ用ページ
櫻井将棋塾

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました。

#その他#櫻井将棋塾#受けの考え方#先受け#中盤での受け
あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

人気記事

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

致命傷を避ける際に意識すべきこと

致命傷を避ける際に意識すべきこと

中盤の難所で意識すると役立つテクニック

中盤の難所で意識すると役立つテクニック