序盤で組み勝つために意識すべきこと
2026年4月17日 16:08(編集済み)
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋の序盤は、基本的には定跡に沿った指し方を行えば大崩れすることはありません。ただ、ときには乱戦になってしまい、自分の知らない序盤になってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、そうした状況に直面した際に意識すべきことを解説したいと思います。
相手に不本意な手を指させる進行を選べ
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗5八飛と指し、馬にアタックしたところです。

互いに馬を作り合っており、早くも力戦の様相を呈しています。こちらは一歩得しているので形勢は悪くないですが、ここからの構想が大事な将棋ではありますね。
さて、上図で飛と馬を交換すると、相手にだけ馬が残ってしまうので、ここは飛車を取らないのが自然でしょう。そうなると、馬を引くことになりますね。案としては、☖2四馬が挙げられます。
この場合、下図のような局面になることが予想されます。

互いに玉を囲い合う妥当な進行です。振り飛車は一歩損ではありますが、飛車先が軽く動きやすい配置になっているので、そこまで歩損が祟る状況ではありません。これは一局の将棋に落ち着く可能性が高いでしょう。
居飛車は上図の進行でも悪くはありませんが、欲を言えばもう少し条件の良い進行に持ち込みたいところでもあります。そうした思惑があったので、冒頭の局面から筆者は少し捻った手を選びました。具体的には、☖3五馬とぶつけます。これが良さを追求する一着ですね。

馬交換を挑むのは、少し意外な印象を受けるかもしれません。ただ、これで角を持ち合う将棋にすると、居飛車の方が都合が良い状況になるのです。
ひとまず、上図では☗同馬☖同歩☗4八玉と進めるのが自然です。こちらも☖2二銀で自陣を整備しておきましょう。このとき、「角を持ち合う将棋にすると、居飛車の方が都合が良い」という意味が分かりやすくなります。

居飛車は陣形が低く歩の数も多いので、現状は角を打ち込まれる隙が全くありません。しかし、相手は5・6筋の歩が剥がれているので☖6七角や☖4五角といった手をケアする必要があります。つまり、角交換になれば居飛車側だけ有効な使い道があるのです。このアドバンテージがあるので、馬をぶつけるのが得策になるわけですね。

振り飛車が☖6七角や☖4五角を同時にケアしようとすると、☗7八金と上がるのが関の山です。ただ、こちら側に金を配置すると、必然的に囲いを堅く囲うことが難しくなります。居飛車はそれに満足して、自然に舟囲いを作れば良いでしょう。

こうなると、「☗7八金」という不本意な手を強要させた居飛車がかなり得をしている進行になります。振り飛車は玉の囲いが金銀二枚になることが確定していますし、この後も角の打ち込みを警戒した駒組みを行わなければいけません。対して、居飛車は自然に☖3三銀から囲いを充実させれば、隙が無く安定感の高い布陣を作れます。よって、上図は居飛車の作戦勝ちが見込める将棋ですね。☖2四馬と引いた変化よりも条件が良いことが読み取れます。
こうして一連の進行を見ると、☖3五馬とぶつけた手の価値がよく分かります。

序盤戦において相手の指したい手を全て許してしまうと、理想形に組まれてしまいます。もちろん、その間に自分も理想形を作れば良いという話はありますが、そうした姿勢ではリードを奪える可能性が激減します。作戦勝ちに持ち込むには、「自分だけ理想形を作り、相手には不本意な配置を強要させる」意識が必要です。
それを行うには漫然と駒組みを進めるのではなく、ある程度、相手にプレッシャーを掛けること(今回の題材で言えば、馬交換を迫って角の打ち込みを見せた姿勢)が必要です。そうした意識を持って駒組みを進めると、良い着想を見つけることに繋がるかと思います。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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