敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

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あらきっぺ
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2026年4月15日 08:10

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋の終盤では、ときに敵玉を長手数の詰みで仕留めなければならない場面を迎えることもあります。また、そうしたシチュエーションでは持ち時間が切迫しているケースも多く、完全に読み切れていなくとも指さなければならない場合もあるでしょう。

そこで今回は、そうした状況に直面した際に意識すべきことを解説したいと思います。

利きの範囲が広い駒を残せ

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗7八同玉と指し、成桂を取ったところです。

この局面は、自玉に☗4一竜からの詰めろが掛かっています。しかし、安全を確保する姿勢を取ると5六の銀を取られて手掛かりを失うので、ただ受けるだけの手を指している余裕はありません。よって、ここは踏み込むことを考えたいですね。

結論から述べると、ここでは敵玉に詰みがあります。初手は☖6七銀打から入るのが良いですね。

なお、冒頭の局面では6七に駒を打つ以外の迫り方が無いわけですが、このとき攻め側としては、どの持ち駒を残すかが大事な要点となります。基本的には金はトドメに役立つことが多いので、それを残すのがセオリーですね。もし上図で☖6七金と打っていると、☗8九玉☖7八銀☗9九玉で不詰めとなるところでした。この進行は、金を温存していない弊害がよく分かります。

ちなみに、上図では☖6七角と打っても詰んでいるのですが、このあと、こちらは中段玉を仕留める必要があります。そうした際には利きが広範囲に行き渡る角を多めに残しておくほうが使い勝手が良いので、銀から入るのが無難です。こうした理屈で考えると、たとえ読み切れていなくとも☖6七銀打を選択できる可能性が高まりますね。

さて、相手は☗同金☖同銀成☗同玉と応じるよりないですが、そこが難題ではあります。有力手は☖6六香か☖4九角で、結論から述べると、どちらでもOKです。ただ、「利きが広範囲に行き渡る駒を多めに残す」ことを意識すると、☖6六香から入るほうが明快かと思います。

相手は玉を下段に逃がすと望みが無いので、上部脱出に賭けるより道はありません。まずは、☗同玉を見ていきましょう。

これには、☖5五角☗7六玉☖7三香と迫ります。ここまで進むと、敵玉がかなり狭まり、分かりやすい形になりました。

①☗7五歩には☖6六金☗8五玉☖9四金☗8六玉☖8五歩から詰んでいます。また、②☗7四歩には☖6六金☗7五玉☖6四銀☗8四玉☖9三金で解決しますね。まずは角や香といった飛び道具で足場を作り、最終的には接近戦に強い金で仕留めていることが読み取れます。

また、☖6六香に☗7六玉の場合は、☖5八角と迫りましょう。ここに打てば7六と8五を押えられます。相手は☗7五玉が妥当ですが、☖6四銀と突進して7三に利きを届かせれば、詰み形が見えてきました。

☗8四玉には☖7三金で詰みです。ゆえに、☗6四同玉になりますが、☖6三金☗7五玉☖6四角と進めれば、以降は金でトドメを刺せるので平易な詰みとなります。この進行も、

まずは広範囲に利きが行き渡る角を使う→それで敵玉の可動域を狭めて、接近戦に強い金で仕留める

という流れで詰ましていることが読み取れます。

こうして一連の進行を見ると、「利きの範囲が広い駒を残す」ことの重要性がよく分かりますね。

将棋の駒は、接近戦に強い駒と遠隔戦に強い駒があります。前者だと玉や金、後者だと飛や角が最強格の駒です。つまり、それらを両方とも残しておくと、接近・遠隔両方に対応できるので、敵玉を詰ましやすい状況が作れます。ゆえに、なるべく利きの範囲が広い駒を残したほうが良いという訳ですね。

最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

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