雁木系の将棋で知っていると役立つ攻めの手筋
2026年9月16日 16:44
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
現代将棋において、雁木は主要戦法の地位を確固たるものにしていると言えます。ただ、この戦法は少し攻撃力が低いので、敵陣を攻める有効な手法を把握しておかないと、指しこなせない側面はありますね。
そこで今回は、この戦型において役立つ攻めの手筋を解説したいと思います。
突き捨ての対応を見て攻め筋を使い分ける
改めて、上記ツイートの局面を提示します。下図は相手が☗3五同角と指し、歩交換を行ったところです。

[雁木vs矢倉]という構図になると、こうした局面は出現しやすいですね。同じ(もしくは似たような)局面を経験した方は少なくないのではないでしょうか。
この局面は手が広く、例えば☖4二角と引いて次の☖6五歩に期待する手も一案です。しかしながら、ここはそれ以上に☖8六歩と突き捨てるのが面白い一着ですね。

これを☗同歩と取ると、いつでも☖8五歩で継ぎ歩する手が生じるので、敵陣を攻めやすくなります。直ちにそれを実行する手もありますし、☖4二角から☖6五歩と進めるのも有力ですね。
相手がそうした展開を嫌って☗同銀と取ってきた場合は、☖6五歩と突くのが急所を捉えた攻め方になります。

これは6筋の守りが手薄になった点を突いています。☗7七銀型の状態で☖6五歩と突くのも悪くないですが、このほうが相手の6筋を弱体化させているので、より威力の高い攻めを繰り出せていますね。
上図では☗6五同歩が自然な応対ですが、こちらは☖4五歩と突いて、角を起動させましょう。

もし相手の銀が7七に居ると、この☖4五歩もそこまで高い威力の攻めにならないところでした。けれども、上図なら香取りや☖6六歩を狙っているので、厳しい一着になっています。
もし、冒頭の局面で☖4二角を引いていると、こうした展開にはまず誘導できませんでした。角を3三に置いたまま攻めに使えるのであれば、そのほうがスマートであることは言うまでもありません。

先述したように、相手は香取りと☖6六歩を同時に防ぐ必要があります。そうなると☗7七銀と引くのが妥当ですが、こちらは☖7五歩と突き捨てて争点を広げましょう。これで攻めが確実に繋がる形になりました。

これを☗同歩だと、☖6五桂☗6六銀☖6四銀で自然に銀桂を進軍すれば OK です。こうなると、次に☖7七歩から敵の守備駒を剥がせる態勢に持ち込めます。
また、上図で☗3六銀と攻め合いを志向してきた場合も、☖6五桂と跳びましょう。以下、☗6六銀☖7六歩と進めておけば、やはり7七の地点を攻めやすい形になるので、これも順調に攻めが続きます。上図は雁木のほうが攻め足が速いので、こちらが優位に立っていますね。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☖8六歩と突き捨てたことで、スムーズに攻めが続いていることが読み取れます。

雁木は角道を止める戦法なので、どうしても機動力が足りない性質があります。しかし、こうして上手く突き捨ての歩を使えば、攻めが加速するので機動力の低さを補うことが可能です。特に、上図のように早い段階で歩を突き捨て、それの対応を見て攻め筋を使い分けるのは汎用性が高いテクニックなので、攻める際には意識して頂ければ幸いです。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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