袖飛車を攻略する際に役立つ構想
2026年9月12日 16:34
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
袖飛車は滅多に相対することのない戦法ですが、それゆえ、具体的な対策を分かりかねている方は少なくないのではないでしょうか。こうしたマイナーな作戦は、経験値の差で劣る戦いを強いられるので、優位に導く構想を用意しておきたいところです。
今回は、この戦型を攻略する駒組みを解説したいと思います。
銀交換を挑んで迎撃する
今回は、上記ツイートの少し手前の局面から解説します。下図は相手が☖7三銀と指し、銀を繰り出したところです。

袖飛車は飛車を7筋に配置して、そこを攻めることを主眼にしています。相手はこの銀を、将来的には7五まで進めることを念頭に置いていますね。そのため、こちらはそれに対して相性の良い配置を作ることが序盤におけるテーマとなります。
結論から述べると、こうした局面からはカニ囲い系の玉型を選び、☗5七銀型を作るのが優秀です。

袖飛車は銀をスムーズに7五まで繰り出すことはできますが、その銀を進軍することが難しい欠陥を抱えています。ゆえに、銀を五段目まで進まれることに関しては、特に気に病む必要はないですね。
なお、上図では相手が☖4二玉型に組んでいますが、これは他の配置であっても、こちらのやることは同様で構いません。

さて、上図で相手は直ちに攻める手段がありません。そうなると、☖5二金などで玉型を整備するのが一案です。
対して、こちらは迎撃の準備が整っているので動きましょう。☗6六銀とぶつけてしまうのが、価値の高い一着ですね。

袖飛車側としては、[☖7四飛・☖7三桂型]の構えになれば攻め駒が活用できます。ただ、こうして早期に銀をぶつけられると、その形を上手く作ることができません。ゆえに、こうして銀をぶつける手が効果的になるのです。
つまり、ここから☖6六同銀☗同角☖7四飛と進めてきたら、すかさず☗8二銀と打ち込んでしまいましょう。

ここで☖7三桂には☗7五歩と打てば、桂得になりますね。かと言って、桂が跳べないと☗8一銀成から桂香を二枚回収されるので、後手は対応に困っています。これは駒得が約束されているので、先手がはっきり優勢ですね。
このように、☗6六銀とぶつけて敵陣に銀を打ち込む手段を作ってしまえば、割と簡単に優位に立てることが分かります。

なお、後手としてはここで☖3四歩と突くほうが先ほどの進行よりも勝ります。ただ、これに対しても同様に☗6六銀とぶつければ良いですね。

後手は銀を下げると攻撃力が下がるので、☖同銀☗同角と進めるよりないですが、そこで指す手が難しい側面があります。角交換になると☗4六角と打たれる手が厄介ですが、角道を止めると効率が悪くなってしまいます。上図も後手は攻めの形が作れていないので、先手の迎撃が成功していますね。
こうして複数の変化を踏まえると、☗6六銀とぶつける手が急所を突いていることが読み取れます。

袖飛車は7筋を攻める戦法ですが、そこを攻撃するまでに時間が掛かるので、早期決戦に弱い欠陥があります。ゆえに、こうして早く駒をぶつけて速攻志向の姿勢を見せれば、相手の立ち遅れを突くことが可能です。この構想は、相手の配置の違いに関わらず有力になるので、ぜひお試し頂ければ幸いです。
最後に、初期局面から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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