不利な局面を挽回するためのコツ
2026年8月22日 16:41
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋を指していると、ときに自分が苦しい状況に陥ってしまうこともあるでしょう。そうした場面で上手く逆転の目を残す指し方ができれば、自ずと勝率アップにも繋がるはずです。
そこで今回は、非勢の終盤戦で何を意識すれば良いのか、ということをテーマに解説を進めます。
自玉を広くする展開を目指す
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗1一飛成と指し、飛車取りを回避したところです。

この局面は、駒の損得は互角です。しかし、こちらは竜の侵入を許しており、自分だけ寄せの手掛かりを作られています。ゆえに、玉の安全度には大きな差がついており、ゆえに形勢も少しい苦しい状況です。上手く粘る必要がある局面ですね。
さて、こちらは☖4七歩成と指して問題なければ話は早いですね。ただ、そう指すと☗2二竜と迫られたときに受けが難しい問題があります。

これは次に☗3三歩を狙っており、それを喫すると一気に寄り形です。ただ、☖2一桂と補強しても☗3三歩☖同桂☗4七金☖同香成☗3四歩と畳みかけられるので、良い対応がありません。これは玉の安全度に差がついている問題が露呈した進行ですね。
こうした背景があるので、冒頭の局面では☖4七歩成が指せないことが分かります。ゆえに、筆者は自玉の安全度を高める手を指しました。具体的には、☖5三歩で金を狙うのが価値の高い一着になります。

先ほどの失敗例では、自玉が広い場所へ移動できないことが問題の一つでした。特に、5三から上部へ逃げられないことが痛かったですね。この☖5三歩は、その問題の解決に向かった意味があります。こうすれば敵の金を確実に消せるので、こちらは自玉を5三から広い場所へ避難できる公算が高くなります。
例えば、ここから先ほどと同様に☗2二竜と迫られたら、☖5四歩☗3三歩☖5五角という受け方ができます。

こうなると手番を握りながら3三の地点を補強できたので、こちらは玉型が大いに安定しています。上図で相手は☗3二歩成☖同角☗1二竜と進めるくらいですが、☖2一金☗1三竜☖4七歩成と進めれば問題ないでしょう。こちらは自玉の安全を確保しながら駒得に成功したので、これは逆転に成功しています。

なお、厳密には上図で☗3六飛☖同歩☗3一銀と踏み込まれると、こちらの非勢は続いているのですが、相手としてはこの段階で飛車を渡すと反撃が気になりますし、敵玉を自発的に上部へ追い立てる攻め方なので、かなり抵抗感がある順のように感じます。こちらも上部を開拓できる楽しみがあるので、その攻め方なら悪いなりにも希望がある進行と言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、☖5三歩という手は、相手からすると厄介な一着であることが読み取れます。

逆転は自力では実現できないので難しい技術ではありますが、苦しい立場としては、まず致命傷を負わないことが絶対です。特に、敵の攻めが筋に入ってしまう展開になると紛れを求められないので、そうした進行を避けることが大事です。
上図のように、盤上から敵の攻め駒を減らして自玉の可動域を広げる手を指しておくと、筋に入りにくい状況になりやすい側面があります。今回のような彼我の玉の安全度に差があるケースでは、この点を特に意識しておきたいですね。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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