居飛車穴熊を指す上で覚えておきたい構想
2026年10月29日 14:44
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
対抗型の将棋において、居飛車側が穴熊に組んで戦うのは有力な作戦です。ただ、居飛車穴熊は駒組みが繊細なので、序盤の失敗が致命傷になってしまうことも少なくありません。
そこで今回は、居飛車穴熊を指す上で知っておくべき構想を解説したいと思います。
金を上手く配置する
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。下図は相手が☖6三金と指し、高美濃を作ったところです。

相手は四間飛車から☖4四銀型に構える自然な駒組みをしています。この後、相手は☖5四歩→☖5五歩から攻めてくることが予想されるので、こちらはそれの対処を考慮する必要がある局面ですね。
ここでは複数の構想がありますが、最も得を追求するなら☗5九角☖5四歩☗2六角と進める順になります。

[四間飛車+☖4四銀型]という配置には、こうして三手角で迎撃するのが最適です。この形に組んでおくと、相手が4四の銀を繰り出してきたときに角道が敵陣まで直射するので、カウンターを打ちやすい状況に持ち込めます。ゆえに、この☗2六角型は☖4四銀型に対して抜群の相性の良さを誇ります。
上図で相手は☖8二玉と入城するのが妥当ですが、こちらも☗7九金で囲いを引き締めておきましょう。

振り飛車は駒組みが概ね完了したので、☖5五歩と仕掛けるのは自然です。このとき、安直に☗同歩☖同銀と進めるのは芸がありません。現状では5五の歩を放置しても問題ないので、☖5五歩には☗6八金寄で待機するのが賢明です。

ここで☖5二飛と力を溜めてきたら、☗5八飛と対抗して差し支えありません。こうなると5筋の力関係は五分なので、相手の銀が行進してくることはないですね。以降は☗7八金寄→☗3七桂と駒組みを充実させれば、居飛車は自分だけ桂を活用できる展開になるので作戦勝ちになります。
また、ここで☖5六歩☗同銀☖5五銀と直ちに攻撃してきた場合は、☗同銀☖同角☗5八飛と立ち回るのが用意の手順です。

この局面を迎えると、「☗2六角型は相手が4四の銀を繰り出してきたときに角道が敵陣まで直射するので、カウンターを打ちやすい状況に持ち込める」という理屈がお分かり頂けるかと思います。
ここで☖1九角成を指されると駒損になりますが、それには☗7一銀と放り込めば技が掛かっています。以下、①☖同金には☗同角成☖同玉☗5一飛成で王手飛車取りが掛かります。また、②☖8一玉には☗5三飛成☖1二飛☗6三竜☖同銀☗6二金と食いつけば、これも攻め切れる格好ですね。
こうして一連の進行を見ると、☗2六角型に構えた恩恵がよく分かります。

このように、[四間飛車+☖4四銀型]という配置には、三手角で迎撃するのが最適です。相手は駒組みの構造上、☖5五歩と突いて攻めるのが必然ですが、そうなると居飛車はカウンターを打つ条件が自動的に整うので、非常に戦いやすくなります。
また、この構想は☗5八金型を維持しているのがミソで、安直に☗6七金を指さないのが重要です。その一手を省くことで角の転換が早く済みますし、☖5五歩に対して☗6八金寄と指すことを念頭に置いているので、金を6七に上がる必要もありません。この構想は極めて再現性が高いので、ぜひお試し頂ければ幸いです。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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