敵の攻めを対処する際に意識すべきこと
2026年10月22日 16:27
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋は一方的に攻め続けて勝てれば理想ですが、ときには受けを考える必要がある場面もあります。ただ、受けは理想形や成功パターンが分かりにくいので、苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、敵の攻めを対処する際に意識すべきことを解説したいと思います。
受からない攻めは無視する
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖9五歩と指し、端攻めを決行したところです。

互いに囲いの整備は完了しており、これから本格的な戦いが起ころうとしている場面です。こちらは9筋に手を着けられているので、これをどう処理するかが当面の課題ですね。
まず、素直に☗9五同歩と応じた場合を見ていきましょう。この場合、後手は☖9八歩☗同香☖7六角と進めてくることが予想されます。

これはこれで自然な選択ではあるのですが、こちらとしては9筋の被害を完全に防ぐことが不可能になっています。ここでは☗9六香と逃げるくらいですが、☖9八歩や☖9八角成などで成駒を作られてしまいます。上図は先手が明らかに不利というわけではありませんが、相手の攻めを加速させているきらいがあるので、好んで選ぶ局面とは言えません。
こうした背景があるので、冒頭の局面で筆者は、別の対応を選びました。具体的には☗3五歩と伸ばします。これがクレバーな対応ですね。

基本的に、端歩の突き捨ては素直に取るのが自然です。そういう意味では、この手は非常識な対応をしているように感じるかもしれません。しかしながら、先述したように、あの端歩を取ると敵の攻めが加速し、9筋が受からなくなります。ゆえに、こうして放置したほうが賢明な応接と言えるのです。
上図から☖9六歩☗3四歩と進めば、こちらの方が敵玉に近い場所を攻撃している分、攻め合い勝ちが見込めます。ゆえに、相手は☖3六歩と指し、3筋の歩を伸ばした手を逆用するほうが勝りますが、こちらは気にせず☗3四歩☖3七歩成☗同金と進めておきましょう。

こちらは先に桂を取られましたが、次に☗3三歩成☖同銀☗同角成から飛車を成り込む攻め筋を残せています。また、こうして2・3筋が主戦場になれば、相手の端攻めが関係ない状況になるので、後手が指した☖9五歩を無力化できることも大きいですね。
上図で後手は☖2三歩と受けるのが妥当ですが、こちらは☗3三歩成☖同銀☗3四歩☖2二銀☗4五桂と進め、引き続き3筋を攻めるのが良いでしょう。

ここまで進むと、3筋に拠点を作ったことで敵陣の弱体化を図ることができました。上図で後手は☖2一桂と受けるのが関の山ですが、ここに桂を打つと2筋が壁形になり、辛い配置になりますね。そこが壁になれば、☗7七金☖9六歩☗9四歩という要領で、左辺を狙う手の威力が上がります。上図は敵の攻めが来ない状況であり、かつ玉型にも差がついているので先手が優勢と言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☗3五歩から攻め合いを挑んだことで、後手の攻めを無効化できたことが読み取れます。

基本的に、相手から攻撃を受けた場合、その攻め筋を防ぐことを考えなければなりません。ただ、上図のように、受けても敵の攻めを加速させてしまう場合は、その限りではありません。そうした場合は放置して別の場所で活路を求めることが大事です。「受からない攻めは放置する」ということを意識すると、敵の攻めに対する適切な処置が発見しやすくなると思います。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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