優勢な将棋を勝ちに結び付けるための考え方
2026年7月17日 22:28
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
明らかに優勢な将棋だったのに、そこから上手く指せず逆転されてしまった......という悔しい経験をされた方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、優勢な将棋で意識しておくと良いことをテーマに解説を解説を進めます。
優勢な将棋は踏み込んで勝て
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗2四歩と指し、歩を突き捨てたところです。

この局面は、こちらが[銀銀⇆角]の二枚替えなので駒得しています。また、玉型に関しても、雁木が綺麗に残っているこちらに分がありますね。これらの要素から、上図はこちらが優勢だと言えるでしょう。
さて、上図で敵の攻めを放置すると2筋を破られてしまうので、何はともあれ☖2四歩と取るのが妥当に思えます。実際、これで形勢が悪くなるわけではありません。
ただ、それを選ぶと☗9六角☖7五飛☗7六歩☖6五飛☗6六歩と粘られる手が気になります。

こうなると、飛車取りと☗5三桂成という複数の狙いを見せられており、やや面倒な状況を招きます。厳密にはまだこちらが優勢ですが、歓迎すべき進行とは言えない印象ですね。
このように、将棋はたとえ優勢でも方針を誤ると局面の混沌化を招くので、形勢が良いときでもきちんとした手を選ぶ意識が必要です。
改めて、冒頭の局面を提示します。

確かに上図で☖2四同歩は普通の一着ですが、仮に☗2三歩成を許したとしても、それが詰めろになるわけではありません。それを踏まえると、上図で直線的に攻める手はないのでしょうか。もし2手スキで迫ることができれば、相手が指した☗2四歩を無効化することが期待できます。
こうした背景があったので、筆者は☖6六桂と指しました。これが紛れを断つ一着ですね。

これは次に☖5八銀から王手金取りを掛ける手を狙っています。その手順で4七の金を取れば、敵玉に詰めろが掛かるので、直線的な攻め合いはこちらの勝ちになります。したがって、相手は☗2三歩成と指すことができません。
また、この桂を☗同金と取るのも☖8七飛成が相変わらず2手スキの攻めなので、速度は変わらないですね。
本譜はこれらの変化を嫌って☗5八歩と辛抱してきましたが、ここも緩まず☖6七銀と畳みかければ、勝ちへの道筋がはっきりしてきました。

これは詰めろですし、☗同金と取られても☖8七飛成が詰めろ金取りになるので存分に攻めが続きます。こちらは2手スキより速い攻めを繰り出せる状況なので、相手は☗2三歩成を指す余裕がありません。上図は一手一手の寄り筋なので、こちらが勝勢と言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、☖2四同歩で受けに回る変化よりも、明らかにスマートであることが読み取れます。

将棋というゲームは、基本的には攻めているほうが有利であり、形勢が傾くとその傾向はさらに加速します。そのため、優位に立った側は直線的に攻める順を選ぶことが明快に勝つためのコツと言えます。中途半端に安全を買う順を選ぶと、回り道をすることになるので失敗例のような状況になりかねません。もちろん無理攻めは禁物ですが、一直線の攻め合いで勝てる場合は、強気に踏み込むことを意識すると良いでしょう。
最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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