中盤の難所で意識すると良いこと(2)
2026年7月3日 00:23
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することは珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。
そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。
なお、パート1の記事は以下のリンクからご覧ください。
大駒の利きを通せる手を選べ
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗3七同金と指し、成桂を取ったところです。

この局面は、こちらが角桂交換の駒得になっています。しかし、5五の角は捕まっていますし、☗2一飛成も残っているのでこちらは非常に忙しい状況です。ここを上手く乗り切らないと不利に陥ってしまいますね。
ひとまず飛車の成り込みを防ぐのが先決なので、☖2五歩が自然に見えるところです。ただ、これは☗2九飛と引かれた後に何を指すのか、という問題があります。

確かに飛車の成り込みは防げましたが、1四の角が眠っており、これの効率がすこぶる悪くなっています。上図はこちらの大駒が全て上手く機能しておらず、芳しくない局面になっていますね。
こうした背景があるので、冒頭の局面では別の手段が必要です。具体的には、☖2五銀と打つのが賢明ですね。

意外な選択かもしれませんが、これが自軍の大駒を遊ばせない一着です。これを☗2五同飛だと、☖7七角成☗同銀☖2五角と進めて後手優勢です。この変化は駒得を維持しながら飛車の成り込みを防ぐことに成功したので万々歳ですね。
よって、上図では☗2九飛と逃げるのが妥当ですが、今度は☖3六銀と進軍できるのが先ほどとの大きな違いです。

こうなると、1四の角が生き生きとしていることが分かります。次の☖3七銀成が痛烈なので、相手は5五の角を取っている余裕はありません。
そのため、上図では☗3六同金☖同角☗4七銀と抵抗するのが妥当ですが、☖4五角☗同歩☖3七角成と進めれば、こちらは5五の角を生還させつつ寄せの手掛かりを作ることが出来ました。

次は☖4八金や☖2八歩が楽しみですね。また、☗2一飛成は☖5九金から即詰みに討ち取れます。この局面は、こちらは駒得を維持しながら相手の狙いを封じているので、全ての懸案をクリアした格好となりました。もちろん、形勢はこちらが優勢です。
こすいて一連の進行を見ると、☖2五銀と打ったことで、こちらは角が二枚とも機能する形になったことが読み取れます。

大駒は強い力を有する駒なので、これが効率的に使えているかどうかは形勢に直結します。ただ、始めの局面でこちらは、1四の角は3六の歩に、5五の角は4六の歩に利きを堰き止められている配置になっています。こうした形は良い状況とは言えません。
これを踏まえると、自軍の大駒の利きを堰き止めている駒を動かす(消す)手は、高い価値があると考えられます。ゆえに、☖2五銀という少し重たそうな一着が効果的になるわけですね。この点を意識して中盤戦を戦うと、良い判断が出来るようになるかと思います。
最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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