中盤の難所で意識すると良いこと

中盤の難所で意識すると良いこと

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あらきっぺ
あらきっぺ

2026年6月24日 00:10

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することは珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。

そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。

駒の損得よりも効率を重視せよ

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗5四歩と指し、垂れ歩を設置したところです。

この局面は駒の損得はありませんが、こちらは銀が中央で威張っており、敵の大駒を押えやすい状況になりつつあります。ただ、この垂れ歩を放置すると自陣に脅威が及ぶので、これをどう処理するかが課題ではあります。

垂れ歩の脅威を手っ取り早く緩和するなら、☖5二歩と打つ手が考えられます。しかし、ここに歩を打ってしまうと☖5六歩が指せなくなるので、敵の大駒を押さえ込む術が難しくなります。例えば、☗7七角は嫌らしいですね。出来れば居飛車は、☖5二歩を指さずに垂れ歩を無効化したい思惑があります。

こうした背景があるので、冒頭の局面では☖5一飛と回る手が最適解となります。

こう指せば5四の歩取りと同時に、☗5三銀と打ち込む手を防止できるので、☖5二歩よりも反発力の強い応接であることが分かります。将棋はこうした「突っ張った態度」を取るほうが、相手に強いプレッシャーを与えるので得になるケースが殆どです。

問題は、これを指すと☗6二銀という攻め筋を与えること。しかし、こちらは堂々と☖5四飛☗7三銀成☖5六銀で反撃すれば問題ありません。

こちらは桂損になりましたが、中央を制圧することに成功した印象を受けるでしょう。また、駒の効率も格段に差がついていますね。特に[飛角銀]の三枚に注目して頂きたいです。振り飛車はそれら三枚の駒が大して攻めに機能しておらず、防戦一方になっています。

上図では☗7七角とぶつけて効率の悪い駒を捌くのが最強の抵抗ですが、☖同角成☗同桂☖5七銀不成と自然に進軍すれば良いでしょう。

次は、☖4八銀打や☖5八銀打と絡む手が痛烈です。この局面は、飛金銀の効率に差がついていること、及び居飛車の方が敵の囲いを先に攻撃できる状況になっているので、居飛車が優勢と言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、駒損を恐れず☖5一飛と回った着想が好判断であったことが読み取れます。

将棋で形勢判断を行う際には、[玉型・駒の損得・駒の効率]の三要素を考慮するのが鉄則です。そして、この三つの中で最も重要なのが駒の効率です。なぜなら、効率の良し悪しは自軍の戦力の強さに直結するからです。たとえ駒得していても駒の効率が悪ければ、「サボり魔だらけの会社」のような感じになってしまうので上手く機能しません。

そのため、将棋はとにかく駒の効率を最大化させるアプローチで戦うことが重要です。そうしたことを意識すると、良い判断ができるようになるかと思います。

最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

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