敵陣を攻める際に意識すべきこと(3)

敵陣を攻める際に意識すべきこと(3)

58 views
あらきっぺ
あらきっぺ

2026年10月22日 15:11

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋で勝つためには、敵陣を攻めることが求められる技術の一つです。ただ、無策に攻めても受け止められるケースは少なくないので、きちんと急所を突く攻めを実行しなければなりません。

そこで今回は、敵陣を攻める際に役立つ考え方をテーマにして、解説を進めます。

なお、パート2の記事につきましては、以下のリンクからご覧ください。

敵陣を攻める際に意識すべきこと(2) | コマログ
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。 今回の題材は、こちら。 将棋で勝つためには、敵陣を攻めることが求められる技術の一つです。ただ、無策に攻めても受け止められるケースは少なくないので、きちんと急所を突く攻めを実行しなければなりません。 そこで今回は、敵陣を攻める際に役立つ考え方をテーマにして、解説を
コマログ

敵の守備駒を悪い位置へ移動させる

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖5一金と指し、陣形を整備したところです。

こちらは玉型が安定しており、攻めの銀を捌くことにも成功しています。ゆえに不満が無い状態ですが、このまま手をこまねいていると、☖3一玉→☖4二金上という要領で、敵玉がどんどん堅くなっていきます。したがって、何かしら動いていく必要がある局面ではありますね。

そうは言っても、現状では敵陣に隙が見当たらず、有効な手段は見当たらないように感じるかもしれません。ただ、隙が無ければ作れば良いのです。具体的には、☗1五歩☖同歩☗1三歩と進めるのが機敏な手順ですね。

タダの場所に歩を置いていますが、これが相手にとって厄介な一着です。もし☖同香なら☗1二銀が後続手で、こうなると桂取りと☗2三銀成が同時に受からないので技が掛かります。また、☖同桂なら☗1五香と走れば攻めが手厚くなりますね。

後手がそれらの進行を嫌うなら、上図では☖2四銀打と受ける手も考えられます。ただ、これには1三に垂らした歩を活かして☗1二銀と打ち込むのが急所を突く一撃となります。

やや筋の悪い攻め方ではありますが、こうすれば確実に駒得になります。例えば☖同香☗同歩成と進めば、次に☗2一とや☗2六香といった攻めが楽しみですね。

後手としては☖1三桂☗1一銀不成☖5五歩と進めて、と金を作らせないようにしたり、先手の角道を遮断するのが粘りある対応ではあります。ただ、こちらは☗6六香と打っておけば、自然に攻めが繋がります。

上図で相手は角を逃げるよりありませんが、☗6三香成で歩を補充して☗1四歩と打てば、こちらはさらに駒得が広がります。この局面は、自玉が堅陣で順調に攻めが続いているので、こちらが優勢だと言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、こちらは☗1三歩と垂らしたことで、攻めやすい状況を作れたことが読み取れます。

基本的に将棋の中盤は敵陣の攻めを考えることになりますが、相手もなるべく攻撃されないよう留意するので、明確な弱点は作ってくれません。そのため、敵陣に隙を作る手立てを考えることは、とても大きな意義があります。特に、上図の☗1三歩のような敵の守備駒を悪い位置へ動かす手は、有効になりやすいテクニックです。こうした点を意識しておくと、敵陣を攻める際に役立つことが多いかと思います。

最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

また、櫻井将棋塾では、こうした将棋に関する発信やオンライン講座、オンライン指導などのサービスを提供しております。もしご興味がありましたら、以下のリンクからお申し付けください。

https://sakurai-shogi.co.jp/contact

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

#その他#櫻井将棋塾#中盤力の強化#攻めの手筋#敵陣を攻める技術#相居飛車の中盤
あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

人気記事

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

中盤の難所で意識すると役立つテクニック

中盤の難所で意識すると役立つテクニック

【対角交換振り飛車で役立つ攻め筋】

【対角交換振り飛車で役立つ攻め筋】