中盤の難所で意識すると良いこと(6)
2026年9月2日 21:23
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することも珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。
そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。
なお、パート5の記事は以下のリンクからご覧ください。
敵の攻め駒を目標にする
今回は、上記ツイートの少し手前の局面から解説します。図は相手が☖5四歩と指し、5筋の歩を伸ばしたところです。

この局面は、こちらだけ囲いが銀冠に組めており、玉型に関しては大きな差がついています。ただし、居飛車は5筋の歩を取られているので、それが祟る展開になると非勢に陥ります。具体的には、☖5二飛→☖5五歩→☖5六歩という要領で5筋を攻められると、面白くないと言えるでしょう。
そのため、上図では5筋の脅威を緩和するのが急務です。例えば☗6六歩で銀を追い、その後に☗6七金右と指すのは有力です。確かにこうすれば5筋は手厚いですね。
ただ、その順は歩損を回復できない問題を抱えています。そのため、筆者は上図から別の手段を選びました。具体的には、☗7五歩と突きます。これが積極的な着想ですね。

これは次に☗6六歩で銀を召し取る狙いがあります。後手はそれを喫するとまずいので、上図では☖5五歩☗同角☖5二飛と進めるくらいでしょう。
ただ、これには☗7七角と引いておけば問題ありません。

居飛車は銀挟みを見せることで、歩損を解消することに成功しました。ここで☖5六歩は気になりますが、現状では☗6八銀と引いておけば、特に後続手がないので差し支えありません。今度は歩損ではないので、局面が落ち着いても怖くないことが頼もしいですね。
振り飛車は現状では攻める手段がないので、増援が必要です。案として、☖4二金が挙げられます。これは☖5三金→☖6四金と活用することで、7五の歩を刈り取る狙いがります。
ただ、居飛車は引き続き6五の銀を目標にすれば、優位が掴めます。具体的には☗5五歩と打つのが機敏ですね。

こうすれば、次に☗6六歩で銀を召し取れます。それを見せられた以上、振り飛車は金を繰り出す余裕がありません。
そうなると、上図では☖4五歩☗6六歩☖5五角と暴れるくらいです。そこで居飛車はじっと☗6七金右と上がり、中央を補強するのが冷静ですね。

代えて☗6五歩で銀を取るのは、☖7七角成☗同桂☖3九角から中央の突破を許します。あえて銀を取らずに金を上がるのが冷静で、こうすれば飛車が5八へ回れるようになるので、☖3九角の筋は怖くありません。また、ここで☖5六歩も☗6八銀で問題ないですね。
ゆえに、上図では☖5四銀と撤退するよりないですが、☗2四歩☖同歩☗同飛で2筋の歩を交換しておけば、居飛車がはっきり有利な局面となります。

こうなると、囲いの厚みが段違いの上、居飛車は2筋を攻略しやすい状況に持ち込めています。上図で振り飛車は☖2二歩くらいですが、☗3四飛で歩を取っておけば十分でしょう。歩損を解消しておけば、こちらは悪い点が何一つありません。

なお、振り飛車としては、ここで☖5四銀と引いておけば銀挟みの筋は喫しませんが、自ら銀を後退させると攻撃力が落ちるのが不満です。居飛車は☗3六歩や☗6六銀で、自陣を充実しておけば良いでしょう。これも居飛車は玉型の差を活かして攻勢に出れるので、勝ちやすい将棋に持ち込めていますね。
こうして複数の進行を見ると、居飛車は☗7五歩と突くことで、局面を良い方向へ導けたことが読み取れます。

将棋の中盤は漠然とした状況になりやすいので、何かしら目標を持って指すことが大事になります。今回のように「敵の攻め駒を目標にして指す」のは、良い指針の一つと言えます。敵の攻め駒を攻撃すれば自陣の安全に繋がるので、結果として受けながら攻める一石二鳥の状況を作りやすくなります。こうした点を意識しておくと、中盤で方針に迷うケースが少なくなるかと思います。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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