中盤の難所で意識すると良いこと(5)
2026年8月29日 23:12
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することも珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。
そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。
なお、パート4の記事は以下のリンクからご覧ください。
攻めの形がきちんと作れる配置を目指す
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖9四歩と指し、9筋の端歩を受けたところです。

この局面は、互いに玉型がしっかりしていて、共に攻める場所が難しい局面です。ただ、相手は後手番ということもあり、自ら動く必要はありません。手段が求められているのは、こちら側ということになりますね。
とはいえ、先述したように、上図では有効な攻め筋がありません。そのため、まずは攻めの形を作ることが先決です。具体的には、☗4七銀と引くのが臨機応変な一着ですね。

傍目には、腰掛け銀に構えていた銀を後退させるので変調を感じさせるかもしれません。ただ、この銀を下げておけば、3五の位を目標に攻める算段がつきます。先手は右桂が跳ねにくい状況なので、なかなか☗4五歩と突っ掛ける筋は上手くいきません。ゆえに、この銀は5六に据える理由が特にないのです。
上図で後手も攻める手はないので、何かしら手待ちを行うことになります。案として8筋の歩を交換する手が考えられます。しかしながら、それを行うと先手に銀冠を作られてしまう弊害が生じます。

こうして囲いが手厚くなると、先手は桂頭の薄さを気にしなくてよいので、強気な戦いが挑めます。具体的には、次に☗7五歩☖同歩☗7四歩で左辺を攻める手が面白いですね。こうなると後手は持ち歩を手にした得より、囲いを盛り上がられた損のほうが大きくなっています。ゆえに、8筋の歩は交換しにくいですね。

そのため、上図では単に☖7四歩で待機するのが自然な手待ちです。今度は囲いが高美濃なので、☗7五歩☖同歩☗7四歩の筋は決行しにくいですね。よって、この場合は当初の予定通り、右辺で動くことを考えます。
具体的には、☗3八飛と寄るのが銀を引いた手を活かす一着ですね。

これで次に☗3六歩と合わせれば、3筋の位を破壊できます。ただ、後手はそれが分かっていても防ぐ手段が困難です。仕方がないので☖4二金と引いて備えるくらいですが、先手は気にせず☗3六歩☖同歩☗同銀で攻めれば良いでしょう。

こうなると、敵陣を攻める道筋がかなり分かりやすくなりました。攻めの銀がいつでも五段目に進めることは、見た目以上に価値があります。ここで☖7五歩と突いて反撃される手は気になりますが、☗3五銀☖同銀☗同飛と進めれば問題ありません。そこまで進むと☗3四歩と☗7五飛という複数の狙いが作れているので、後手の動きを逆用できていますね。
こうして一連の進行を見ると、☗4七銀と引いた手の恩恵がよく分かります。

基本的に将棋は、敵陣を攻める算段が整えられないと、かなり勝ちにくい状況に追い込まれます。ゆえに、「攻めの形がきちんと作れる配置を目指す」ことは、非常に重要な意味を持ちます。それの価値が高いので、上図のような腰掛け銀からわざわざ手損する指し方ですら成立するというわけなのです。特に、相居飛車や相振り飛車で攻めの形が作れないと致命的なので、それらの戦型を指す際には、強く意識しておきましょう。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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