4→3戦法を攻略する有力な構想
2026年6月19日 20:09
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
4→3戦法は、升田式石田流に組むための作戦で、マイナーな戦法ではありますが、対策を知らないと対応しにくい相手とも言えます。そのため、居飛車党としては、攻略法を確立しておくことが大事です。
今回は、この戦法に対する有力な構想(定跡)を解説します。
金銀が分散している弱点を突く
今回は、上記ツイートの少し手前の局面から解説を行います。下図は相手が☖2四歩と指し、飛車交換を視野に入れたところです。

なお、この局面に至るまでの手順は、下図でご確認ください。

こうして2筋の歩を振り飛車側から突っ掛けるのは、この戦法における常套手段です。振り飛車は飛車交換を行えば、自分の方が打ち込みの隙が少ないので、事が上手く運ぶと見ています。
居飛車は飛車交換を受け入れるか拒否するかが方針の岐路ですが、後者のプランを採ると受け身になってしまい、面白くない進行になってしまいがちです。そのため、ここは飛車交換になった後のことを考えながら指し手を進めることが大事です。
策はいくつかありますが、中でも☗7七桂と跳ねる手をお薦めします。

これは、囲いの桂を跳んでいますが、攻め駒を増やしている意味があります。この段階では意図が見えにくいかもしれませんが、この後の進行を見れば、「攻め駒を増やしている」という文言の意味がお分かりになるかと思います。
振り飛車は☖2五歩☗同飛☖2四飛と進めるのが自然ですが、☗同飛☖同銀☗6五桂と応じます。最後の桂跳ねが期待の一着ですね。

振り飛車は大駒の打ち込みを防ぐために金銀を分散させていますが、その結果、中央の守りは手薄な配置になっています。ゆえに、こうして桂を跳ねて5三の地点を狙うのが効果的な攻めになります。これが見た目以上に受けにくいですね。例えば☖4二金なら☗2二飛で簡単に崩壊します。
振り飛車は☖4二角と打って自陣を補強するのが最強の抵抗ですが、それには☗2二歩☖同金☗8六角と進めましょう。

やはり、5三の地点の狙うのが急所です。方針を一貫させることが大事ですね。また、この角打ちは☖6四歩で桂を取る手を防いでいる意味もあるので、忙しい状況を回避できる恩恵もあります。
振り飛車は飛車を使ってしまうと未来が無いので、自分の狙いを残すなら☖5二金で頑張ることになります。ただ、こうなると敵陣が弱体化しているので、強気に☗4一飛と打ち込む手が成立します。

これは次に☗5三桂成☖同角☗同角成☖同金☗7一角という攻めを狙っています。振り飛車は4二の地点を強化しなければならないので☖3三銀が一案ですが、☗5三桂成☖同金☗2三歩と畳みかければ、敵陣は崩壊します。玉型に大きな差がついているので、居飛車が優勢であることは言うまでもないでしょう。
このように、軽やかに桂を跳ねていけば、敵陣を攻略できることが分かりました。

4→3戦法は角の打ち込みを防ぐ布陣を作る必要があるので、構造的に金銀が分裂した配置になりがちです。そして、そうした配置は中央の守りが薄くなるので、そこがウィークポイントの一つになります。確かに大駒だけで手を作るのは難しいですが、桂が参戦すれば威力が跳ね上がるので、思いの外、攻略が容易になります。この構想は非常に有力なので、ぜひお試し頂ければ幸いです。
最後に、初期局面から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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