敵の攻めを遅らせるときに役立つテクニック(2)
2026年8月5日 14:54
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋で競り勝つためには、速い攻めを繰り出すと同時に、敵の攻めを遅らせる技術も必要です。ただ、受けは理想形や成功パターンが分かりにくいので、苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、敵の攻めを遅らせる際に意識すべきことを解説したいと思います。
なお、パート1の記事については、以下をご覧ください。
敵の攻めの当たりを弱める
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗2六角と指し、攻め筋を作ったところです。

こちらは8筋の突破が約束されており、攻めに関しては不安がありません。そのため、相手の攻めを減速させることができれば、自ずと優位が広がっていく状況ですね。
さて、ひとまず☗4四角を防ぐ必要があります。自然な受けは☖4三金ですが、☗4五歩と突かれたときが問題です。これを取るのは角道を通してしまいますし、放置するのも☗4四歩の取り込みが金取りになるので味が悪いですね。
こうした背景があるので、筆者は別の受け方を選びました。具体的には、☖3三銀と上がります。これが敵の攻めを遅らせる最適解になります。

自ら美濃囲いの配置を崩すので違和感を覚えた方もいらっしゃるかと思います。けれども、こうすれば☗4四角を防ぎつつ、☗4五歩→☗4四歩を食らっても当たりになりません。ゆえに、相手の攻めを遅らせることが期待できます。
振り飛車としては、角道を通さないと話が始まらないので☗4五歩と突くのは妥当です。対して、こちらは堂々と☖8七銀不成で進軍しておきましょう。

もし、この局面で居飛車が☖3三銀に代えて☖4三金を指していると、☗4四歩☖3三金☗4三歩成☖同金☗7一角成という要領で、スムーズに馬を作られてしまうところでした。このとき、居飛車は自分の銀が邪魔をして飛車が成れないことが痛いですね。
しかし、上図なら☗4四歩を無視できるので☖8八銀不成と攻めて問題ありません。それが間に合えば飛車を成り込めるスペースが確保されますから。

振り飛車としては、☗3九金☖8八銀不成☗4九飛と進めるのが最強の指し方です。こうすれば目標になっていた飛車を都合よく戦線に戻すことができます。
ただ、居飛車は自然に☖9九銀成☗4四歩☖3二金と進めておけば、優位は揺るぎません。

こちらは4四に拠点を作られましたが、そこに打ち込まれる駒を持たれていないので案ずることはありません。また、☗4三歩成から馬を作られても、☖8八飛成で手番が取れるのも大きいですね。スムーズに飛車が成れる格好であれば、角を成り込まれる攻め筋は怖くありません。相手の攻めを遅らせる工夫を講じたことで、居飛車は8筋の突破をしっかり間に合わせたことが読み取れます。
こうして一連の進行を見ると、☖3三銀と受けた恩恵がよく分かります。

将棋は相手の攻めを完全に受け止めることは難しいケースが多いので、完封するよりも減速させることを試みるほうが現実的です。具体的には、守備駒が当たりにならないような受け方を行うことがコツの一つです。特に、今回の題材のような歩を伸ばす攻めが当たりにならないようにしておくと、上手く減速できるケースが多いですね。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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