中盤の難所で意識すると良いこと(3)
2026年7月31日 15:56
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することは珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。
そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。
なお、パート2の記事は以下のリンクからご覧ください。
持ち駒を敵陣に打ち込め
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗3六歩と指し、攻めの土台を作ったところです。

この☗3六歩は、次に☗3五銀とぶつける手を狙っています。こちらはそれを許しても大きなダメージを被るわけではありませんが、敵の棒銀を捌かせることは嬉しい状況ではないので、可能であればそうした展開を回避したいところですね。
ここは有力手が複数あり、その一つが☖3八歩と垂らす手です。

もし、次にと金が作れれば、敵の攻撃陣を食い荒らすことができますね。ゆえに、相手は銀をぶつける余裕がありません。
また、これを☗同飛と取ると☖2七角で馬を作る手が厳しいですね。以下、☗2八飛☖3六角成という進行になれば、相手は銀をぶつけられなくなっているので攻めが頓挫しています。
相手としては☗3五歩☖4三銀の交換を入れてから☗3八飛で歩を払うほうが勝りますが、これにも同様に☖2七角と打っておきましょう。

今度は☗2八飛と逃げられたときに3六の歩が取れなくなっていますが、この局面も相手の狙いであった「☗3五銀から銀交換」を回避できていることが自慢です。上図で☗2八飛には☖4九角成、☗3九飛には☖5四角成と進めておけば、相手は攻めの手段を失っているので、こちらが優勢になっていますね。
また、冒頭の局面ではじっと☖4九角と設置しておく手も有力です。

これは銀をぶつける手は阻止していませんが、☖3八歩と垂らす手や☖6七角成☗同金☖8七飛成といった攻め筋を視野に入れています。特に後者が実現すると、相手の玉型をかなり弱体化させることができますね。
上図から相手が徹底防戦するなら☗6八玉☖3八歩☗4八角になりますが、こちらは悠々と☖6三金で陣形を整えておきましょう。

相手は☗5九玉と指せば角を捕獲できますが、それを指すと☖6七角成☗同金☖8七飛成の筋が復活してしまいます。それをケアするなら☗8八銀のような手を指さないといけませんが、こちらは☖5四金→☖6五歩という要領で暴れていけば問題ないでしょう。上図は玉型や攻め駒の効率に著しい差がついているので、これもこちらが優勢と言えます。
こうして二つの変化を見ると、どちらも敵陣に持ち駒を打つことを糸口にして、優位を掴んでいることが読み取れますね。

将棋の中盤で為すべきことは複数ありますが、その内の一つが「終盤に向けた準備」です。具体的には、敵の囲いを崩す手掛かりとなる駒を作ることが大事です。
このとき、普通に攻めるなら盤上の攻め駒を前進させ敵陣への侵入を狙うわけですが、持ち駒を使ってショートカットできるのなら、それに越したことはありません。だから持ち駒を敵陣に打つ価値が高いのです。
もちろん、無暗に敵陣に持ち駒を打つと取られてしまう恐れもありますが、それが取られにくい状況であれば、積極的に打ち込んでいくほうが良いと判断して問題ないでしょう。こうした基準を持って中盤の指し手を考えると、正解にたどり着きやすくなるかと思います。
最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!
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