中盤の難所で意識すると良いこと(4)

中盤の難所で意識すると良いこと(4)

5 views
あらきっぺ
あらきっぺ

2026年8月6日 17:23

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することも珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。

そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。

なお、パート3の記事は以下のリンクからご覧ください。

中盤の難所で意識すると良いこと(3) | コマログ
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。 今回の題材は、こちら。 将棋の中盤戦は茫洋なところがあり、何が正解なのか見当がつきにくい状況に直面することは珍しくありません。そして、そうした場面は往々にしてミスが出やすいものです。 そこで今回は、中盤の難所で意識すると良いことをテーマに解説を進めます。 なお、
コマログ

楔を打ち込んだり、拠点が作れる攻めを狙う

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗7七桂と指し、攻撃力を高めたところです。

ご覧のように、こちらは中央の制空権を握られており、このまま局面が落ち着くと真ん中が圧迫されているので芳しくない情勢に陥ります。そのため、ここは急いで何らかの代償を求めたい場面ですね。特に、☗3七桂→☗4五桂の活用が来る前に手を作りたいところです。

結論から述べると、ここは☖8六歩☗同歩☖8七歩と攻め込む手が有力です。

この段階で攻めるのは性急なように思えるかもしれません。ただ、こちらは先述の背景があるのでゆっくりはできないこと、及びこれで敵陣を弱体化させることができるので、この攻めは十分に成立しているのです。

まず、これを☗7九角のように引いてしまうと、☖8六角でこちらの言い分がはっきり通ります。この進行は8七に楔が入っていますし、角も手順に活用できるので申し分ありません。

よって、上図では☗8七同金と応じるのが妥当です。対して、こちらはやはり☖8六角と突進しましょう。

もし相手が素直に☗同金☖同飛と進めてきたら、8筋の突破が見えてきますね。これは駒損でも相手の角が負担になっているので、こちらが優勢になります。ゆえに、相手はこの角を取れません。

辛抱するなら☗7八玉が一案ですが、それには☖8五歩で力を溜めるのが面白い攻め筋です。こうして次に☖4二角→☖8六歩を狙えば、8筋に拠点が作れるので攻めの糸口を確保できます。

ここで相手が最も突っ張るなら、☗8三歩☖同飛☗8四歩☖同飛☗8五歩という対応です。こうすればどちらかの大駒が取れるので、相手は駒得に成功します。

ただ、こちらは怯まず☖7七角成☗同角☖8五飛と攻め続ければ問題ありません。

相手は金取りを防ぐ必要がありますが、自然な☗7八玉は☖5七歩の追撃が厄介です。飛車が逃げると5五の銀がタダですし、☗5七同飛には☖6五桂打から飛角両取りです。この進行は玉型の差が大きく、相手は支えきるのが容易ではありません。

よって、上図では☗8六金と受けるほうが勝りますが、冷静に☖8一飛と引いておけば、やはり相手はまとめにくい格好になっています。

こちらは次に☖9四桂が打てれば、駒損の回復や飛車の成り込みが実現するので攻めが繋がります。相手がそれに備えるなら☗7八玉が妥当ですが、やはり☖5七歩が厳しいですね。取ると☖6五桂打が両取りですし、逃げると5七に楔が残るのでポイントを稼げます。以降の攻め方については、後述する将棋盤にてご確認ください。

こうして一連の進行を見ると、こちらは☖8六歩☗同歩☖8七歩から動いたことで、ペースを掴めたことが読み取れます。

将棋の中盤は、敵陣に侵入することが目的の一つです。ただ、いきなり侵入するのは現実的ではないので、まずはそのための準備を進める必要があります。具体的には、拠点を作ったり、楔を打ち込むことがキーとなる行動の一つです。

拠点を作ったり楔を打ち込めたりすると、そこに攻め駒を打ち込む手が生じたり、相手の配置が歪むので攻め駒が侵入しやすくなります。敵陣を攻める良い手段が見つからない場合、「拠点を作る」「楔を打ち込む」といったことにフォーカスして攻めの手を考えると、良い手段が見つけやすくなるのではないかと思います。

最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

また、櫻井将棋塾では、こうした将棋に関する発信やオンライン講座、オンライン指導などのサービスを提供しております。もしご興味がありましたら、以下のリンクからお申し付けください。

https://sakurai-shogi.co.jp/contact

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

#その他#櫻井将棋塾#中盤力の強化#中盤の攻め#攻めの手筋#矢倉
あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

人気記事

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

中盤の難所で意識すると役立つテクニック

中盤の難所で意識すると役立つテクニック

致命傷を避ける際に意識すべきこと

致命傷を避ける際に意識すべきこと