相掛かりで知っていると役立つ攻め筋

相掛かりで知っていると役立つ攻め筋

1 views
あらきっぺ
あらきっぺ

2026年7月23日 13:05

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

相掛かりという戦型は早期に飛車先の歩を交換できるので、攻撃力の高さが特徴の一つと言えます。そのため、他の戦型ではお目に掛かれない攻め筋が生じることも少なくありません。

そこで今回は、この戦型特有の攻め筋を解説したいと思います。

あえて先に銀を捨てる

改めて、上記ツイートの局面を提示します。下図は相手が☗7七金と指し、7六の地点を守ったところです。

こうした局面は、片方が腰掛け銀を採用すると出現しやすいパターンの一つです。相手の☗7七金型は歪な形に見えますが、このまま局面が落ち着くと☗8六歩→☗8七金という要領で陣形を立て直すことが可能です。ゆえに、こちらとしては早めに動いて好形を作られないようにしたい状況ですね。

結論から述べると、ここは☖9五歩と突っ掛けるのがベストです。

これには☗同歩と取るのが自然な対応です。なお、少し捻るなら☗6六歩という受けもありますが、☖同銀☗同金☖8七飛成と突撃すれば問題ありません。こちらは銀損ですが、相手は金が中段に移動していたり、端に嫌味がついているので陣形が不安定になっています。ゆえに、十分に強襲が成立していますね。

問題は☗9五同歩にどう攻めるかですが、☖7六銀☗同金☖9八歩と進めるのが鋭い攻めになります。

もし、これを素直に☗同香なら、☖8七飛成が金香両取りになります。歩を叩かず単に☖8七飛成だと☗7七金と引かれて上手くいきませんが、香を釣り上げておけば☗7七金と引かれても攻めが繋がります。だから飛車を成る前に歩を叩くという訳ですね。

ところで、こうして銀を捨てる攻め筋を決行するなら、☗9五同歩と取られた際に☖9八歩☗同香☖7六銀と進めるほうが、より自然な手順では? と感じられた方は鋭いです。確かに、普通は高い駒を捨てる手を後回しにしたほうがリスクが少ないはずです。

しかし、もし☖9八歩を先に叩いてしまうと、☖7六銀と出たときに☗8六金という受けが発生します。

一見、☖8七銀成で万々歳のようですが、相手は歩を三枚持っているので、☗2二角成☖同銀☗8三歩から歩を三回叩けば飛車先を止められてしまいます。よって、こちらは銀を8七に成り込むことが出来ません。しかし、それが指せないと攻めが頓挫しているので、上図はこちらが失敗しています。

このように、先に☖9八歩を叩いて敵の持ち歩を増やしてしまうと、☗8三歩から三連打を許してしまう問題が生じます。これを発生させないため、あえて先に☖7六銀と捨ててから☖9八歩と指す必要があるのです。相手の持ち歩が二枚なら三連打はできないので、☗8六金とかわす受けを封じることができます。

さて、先述したように、相手は素直に☗9八同香では☖8七飛成で決壊するので別の手段が必要です。飛車の成り込みを防ぐなら☗2二角成☖同銀☗7八銀が一案ですが、自然に☖9九歩成☗6一角☖8九とで、桂香を取りつつと金を活用しておきましょう。

こうなると、こちらは[桂香⇆銀]の二枚替えに成功しており、駒得になっています。ここで☗8三銀は気になりますが、☖6二飛☗7二角成☖同飛☗同銀成☖8八とで攻め合えば問題ありません。相手は金が上擦ってるので自陣の安定感が低く、この攻め合いは分があります。そのため、上図はこちらの仕掛けが成功していると言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、☖7六銀と捨てる攻め筋の威力が読み取れます。

相掛かりは飛車先が敵陣まで直射していることが多いので、腰掛け銀に構えた後に☖6五銀→☖7六銀と進軍する威力が高い特徴があります。この攻め筋は端の絡みがあれば☗7七金で備えられても発動可能なので、再現性が高いこともメリットの一つです。この戦型を指すプレイヤーは、覚えておいて損はないでしょう。

最後に、テーマ図から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

また、櫻井将棋塾では、こうした将棋に関する発信やオンライン講座、オンライン指導などのサービスを提供しております。もしご興味がありましたら、以下のリンクからお申し付けください。

https://sakurai-shogi.co.jp/contact

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

#その他#櫻井将棋塾#相掛かり#敵陣を攻める技術#攻めの手筋#中盤力の強化
あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

人気記事

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

敵玉を詰ますときに意識するとよいこと

致命傷を避ける際に意識すべきこと

致命傷を避ける際に意識すべきこと

【対角交換振り飛車で役立つ攻め筋】

【対角交換振り飛車で役立つ攻め筋】