右玉を指しこなすためのコツ

右玉を指しこなすためのコツ

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あらきっぺ
あらきっぺ

2026年8月15日 16:13

櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

現代将棋において右玉は、多くの戦型で採用される指し方になりました。そのため、この玉型を上手くまとめるスキルを身に着けることは、居飛車党にとって非常に大きな意義があると言えます。

そこで今回は、右玉を上手く指しこなすコツをテーマに解説を進めます。

玉と飛の広さを常に確保する

改めて、上記ツイートの局面を提示します。下図は相手が☗9三歩成と指し、と金を作ったところです。

この局面は、こちらが桂香得の駒得の上、駒の効率でも大きくリードを奪っています。相手は1六の飛や8八の銀が働きの良くない駒になっていますね。

上記の要素が大きいので、上図はこちらが優勢です。ただ、自玉に少しプレッシャーが掛かっているので、それを緩和したい場面ではありますね。

具体的には、次に☗8二銀と打たれると、☗8四角と出られる筋が発生するので自玉が途端に危うくなります。そのため、ここは一回受けに回り、自玉の安全度を高めるのが賢明です。案としては、☖5一玉と早逃げする手が挙げられます。こうすれば☗8四角と出られる筋のダメージを無効化できたと言えるでしょう。

ただ、ここで玉を早逃げすると、☗8二とという追撃が少し気になります。

これを☖同飛だと☗3三角成→☗7三角で王手飛車取りを掛けられてしまいます。よって、上図では☖6一飛と逃げることになりますが、その局面は飛車が狭かったり玉飛接近の悪形なので、あまり嬉しい状況ではありません。

こちらは安全度を高めるため、もう一回☖4二玉とお手入れする必要が出ていますが、少し受けに手数を費やし過ぎている感があります。上図でも形勢は悪くありませんが、欲を言えばもう少しスマートな受けを模索したいですね。

こうした背景があったので、冒頭の局面で筆者は別の受け方を選びました。具体的には、☖5四歩と突きます。これが最も安定感のある一着ですね。

これは5三の地点に逃げ道を作ることで、☗8四角と出られる筋の威力を緩和しています。また、これなら飛車の横利きが直通しているので、☗8二とと迫られても怖くありません。この場合は☖同飛でも☖3一飛でも良いでしょう。

相手としては、☗9二歩で着実に攻めるくらいですが、☖5三玉☗9一歩成☖6一飛でスタコラサッサと逃げてしまえば全く問題ありません。

こうなると、こちらは自玉を3・4筋方面へ逃がせる態勢が整っており、相当に負けにくい格好になりました。これだけ自玉が安全になれば、以降は攻めに専念できますね。☖1四香で敵の飛車を追いかけたり、☖4六桂で金を攻める手が楽しみです。上図は自玉の脅威を完全に払拭できたので、[玉型・駒の損得・駒の効率]という三要素の全てで優位に立てています。よって、こちらが優勢と言えるでしょう。

こうして一連の進行を見ると、☖5四歩と突いた手の恩恵がよく分かります。

右玉は隙の少ない布陣ですが、玉と飛を同時に攻められる展開になると、かなり脆い玉型です。ゆえに、それらの駒が同時に攻撃されないよう、玉と飛の広さを常に確保しておくことが肝要です。そうした配置を意識的に作っておくと、両方の駒を逃がしやすいので玉と飛を同時に狙われる懸念をかなり軽減できます。右玉を指す際には、この点を心掛けておくと良いでしょう。

最後に、テーマ図から少し手前の局面から最終図までの手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。

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それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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あらきっぺ

将棋系文筆家。本名は荒木隆。櫻井将棋塾の特別講師を担当。著書に「現代将棋を読み解く7つの理論」「終盤戦のストラテジー」など。将棋世界にて、「プロ棋界の最新定跡」「今月の妙手」を連載中。

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