敵玉を寄せる際に意識すべきこと(3)
2026年9月30日 16:01
櫻井将棋塾の特別講師を担当しております、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
将棋で勝つためには、やはり終盤で敵玉をきちんと寄せる技術が大事です。ただ、寄せは序盤の定跡と違い全く同じ形になりにくいので、「知識をそのまま詰め込む」というアプローチで学習しにくい領域ではあります。そのため、「汎用性の高い法則」を認知することが大事ですね。今回は、そうしたことをテーマに解説を進めます。
なお、前回の記事は以下のリンクからご覧ください。
金駒を相手にしない寄せを行え
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗8一飛成と指し、桂を補充したところです。

こちらは[角⇆金桂]の二枚替えで駒損になっていますが、この瞬間は自玉が安定していますし、遊び駒もない状態です。そのため、ここは敵玉の寄せに向かうチャンスと言えるでしょう。
敵陣を攻める手は複数ありますが、結論から述べると、ここは☖3六歩と叩くのが最もスマートですね。

代えて☖8九飛で横から攻める手も有力ですが、その攻め方だと確実に敵の金を相手にします。金を狙うことは寄せの基本ですが、金は守備力の高い駒でもあるので、相手にすると厄介な側面もあります。相手にせず敵玉を攻撃できるなら、それに越したことはありません。ゆえに、こうして玉頭から迫る手が賢明なのです。
相手はこの歩を放置するわけにはいかないので、上図では☗3六同歩が妥当です。対して、こちらは☖3七歩☗同桂☖3六銀と進め、引き続き玉頭を狙いましょう。

こうした状況になると、相手は4九の金や7八の金が受けに機能していません。上図で玉頭を補強するなら☗4八金が一案ですが、☖3七銀成☗同金☖4五桂打と迫れば、一手一手の寄り筋です。こちらは持ち駒が潤沢にありますし、4九の金が3七へ移動すれば☖5八飛も生じるので、相手は凌ぐことができません。
また、上図では☗3四歩で攻め合ってくる手も気になりますが、これには☖3七銀成☗同玉☖4五桂で即詰みに討ち取れます。

相手は玉の逃げ場が複数ありますが、☗2八玉や☗3八玉は☖3七銀、☗3六玉は☖3五飛→☖3七角、☗4六玉は☖3七角から詰んでしまいます。
最強の抵抗は☗4八玉ですが、これには☖2六角が好手です。2七の地点をこじあければ、敵玉が2筋へ移動した際に詰ましやすくなります。以下、☗同歩☖5六桂と進めれば、①☗5九玉には☖6八銀から、②☗3八玉には☖3七飛から仕留めることができますね。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☖3六歩から迫ったことで、綺麗な寄せを実行できたことが読み取れます。

敵玉を寄せる際には、その玉を守っている守備駒を剥がすのが基本ではあります。ただ、それを相手にせず寄せが実行できるのであれば、より速く敵玉に迫れるので、そのほうが良いことは言うまでもありません。特に、玉頭やコビンを攻撃する手は金駒を相手にしない攻めを実行する手になりやすいので、速度を求める際には、こうしたアプローチで迫ることを考えると良いでしょう。
最後に、テーマ図から最終図、及びそこからの理想手順を入力した図面を挿入しておきます。動かして確認することが出来るので、お試しください。
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